福岡・北九州の胃カメラ・大腸カメラはひろた消化器科内科クリニック

福岡県北九州市八幡西区竹末2-1-28

消化器疾患について

消化器疾患

当院は、診断から検査までを早く、正確な診断を行い、適切な治療につなぐ、胃・大腸の内視鏡検査を行っています。
検査時の痛みを少なく、昨日あるいは当日の排便時出血で受診された場合、その日のうちに直腸、S状結腸までの大腸カメラ検査を行います。直腸に病変があれば、その時点で出血源がわかります。そしてその出血源が腫瘍なのか痔なのか、それともそれ以外なのかなども同時にわかります。病変がわかれば治療にとりかかることができます。

胃がんについて

胃にできる悪性腫瘍のことを胃がんといいます。がんの中でもっともよく耳にするのが胃がんではないでしょうか。胃がんは、日本人のがんの中で、一番多かったがんです。多かったというのは、胃がんは近年減少傾向で、肺がんが増加しているため、一番多いがんは、肺がんになりました。さらに、大腸がんが増えており、男性では、この数年で、胃がんをぬいています。このように、以前ほど多くはありませんが、死亡者数は、年間3万人を数え、まだまだ大きな影響があります。


(出典)国立がん研究センターがん情報サービス「人口動態統計によるがん死亡データ( 1958年~ 2013年)

診断

胃がんの診断は、胃X線検査や胃カメラで行います。胃がん検診や胃痛などのおなかの症状がある方が、検査を受けます。胃X線検査で異常が見つかった場合、やはり胃カメラにて精密検査を行います。検査にて、胃に何らかの病変が見つかった時、生検(病変の一部の組織を採取すること)を行い、組織検査をして、がんがどうか確定します。

胃カメラ

がんの進行度

 
 

がんの進み具合により、早期がんと進行がんに分かれます。その違いは、胃の壁にどれくらいがん細胞が拡がっているかによります。胃は、5層からなっており、内側から、粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜です。がん細胞が、粘膜下層までに存在するものを早期がん、それより、深く、筋層以上に進行しているものを進行がんといいます。
また、がんの組織形も治療法を決めるために重要です。組織の検査をして、その結果、高分化なものと未分化なものに分かれます。高分化のものは、かたまって発育していく性質がありますが、未分化のものは、パラバラとがん細胞が散らばっていくような発育をします。高分化なもののようにかたまって発育すれば、がんの範囲がわかりやすくて、内視鏡切除に適していますが。未分化なもののように、散らばって発育する場合は、がんの範囲がはっきりせず、予想以上に、広範囲に発育していたりします。このため、未分化がんは、内視鏡治療に不向きで、通常の外科手術が行われます。
 
 

胃がん(早期がん)

早期がんは、粘膜層と粘膜下層までに拡がったがんということになります。そのうちの粘膜層までのがんならば、リンパ節転移や血行性転移はないと考えられています(報告によっては1.4%程度リンパ節転移があるとするものもあります)。ところが、粘膜下層まで拡がったがんは、リンパ節転移が、1015%あるという報告があります。このことから、内視鏡でがんを切除して治療することができるのは、粘膜内までのがんで、リンパ節まで、切除する必要があるがんは、外科手術による治療が必要になります。

胃がん(進行がん)

その名の通り進行した癌のことを進行癌といいます。進行癌は、上記のように、筋層にまで拡がったがんのことです。進行がんになるとがん細胞が深く拡がっているため、内視鏡ではとれません。内視鏡で取ろうとすると胃に穴が開いてしまいます。その上、リンパ節転移や血行転移をおこしていることが多く、胃のまわりのリンパ節なども切除する必要があり、内視鏡治療ではなく、外科的に手術を行う治療になります。さらに抗がん剤治療が追加されることもあります。

病期

治療をする際の目安とするために、そのがんがどれくらい進んだものか(病期)でがんを分類する方法。「TNM分類」の「T」というのは原発のがんの広がり(深達度など)を、「N」はがん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり、「M」は原発から離れた臓器への遠隔転移を意味します。このTNMの組み合わせで、病期(ステージ)を決定します。病期には、臨床分類と病理分類があります。

臨床分類とは、術前に治療方針を決定するときに参考とするものです。
胃癌

日本胃癌学会編「胃癌取扱い規約第 15版( 201710月)」(金原出版)より作成
 
病理分類
手術後切除した部位を肉眼および顕微鏡を持ちていて、病理検査し、がんの拡がりを精査した結果を用いて分類したものです。

日本胃癌学会編「胃癌取扱い規約第 15版( 201710月)」(金原出版)より作成
 

胃がんの予後

胃がんの経過をあらわす目安のひとつに、生存率があります。少し前のデーターですが、以下のようです。
5年相対生存率で、I94.7%、II67.6%、III45.7%、IV8.9
この結果から、ステージが軽いほど経過がよくなることがわかります。早期発見のために、がん検診を受けたり、病院で診察を受けたりすることが重要であると思います。
 

食道がん

食道がんについて

食道とは、食べたものを胃まで送る喉と胃をつなぐ管のことです。大部分は、胸にあります。その管にできる悪性腫瘍のことを食道がんといいます。

国立がん研究センターがん情報サービスより引用。
 
食道の壁は、図のように、粘膜(粘膜上皮・粘膜固有層・粘膜筋板)、粘膜下層、固有筋層、外膜の層構造より成っています。癌はこの中の粘膜からできます。がんは、粘膜から粘膜下層、固有筋層、外膜、さらにその外がわに、拡がっていきます。特に、食道の周囲には、大動脈や気管があり、出血や肺炎につながることもあります。

症状

比較的早期のうちは無症状ですが、進行してくると食道が狭くなって食べ物がつかえたり、飲み込めないなどの症状が起こります。このため、食事量が減り、体重が減ってくることもあります。その他、潰瘍が深くなると前胸部の痛みや食事をするとしみたり、熱くなるといった症状が出現することがあります。早期発見のためには、人間ドックや検診などで無症状のうちに見つけることが重要です。

頻度

食道がんと新たに診断される人の数は、一年間に10万人あたり18人、男女でいくと男性が5倍発生しています。

関連

飲酒と喫煙が関係があるといわれています。また、熱いものを食べたり、飲んだりすることも関係があります。

検査・診断について

消化管内視鏡検査(胃カメラ)やバリウムを用いた消化管造影を行って検査します。内視鏡検査は、直接病変を確認し、病変の性状、拡がり、などを観察するとともに、生検をして、組織をとり、病理検査で、確定診断を行う重要な検査です。消化管造影で、病変の位置や全体像などがわかり、内視鏡が通過しない病変では、狭窄の向こう側の食道下部や胃などの状態がわかります。その他、CTやMRI検査では、病変の周囲への拡がり、あるいは、遠隔転移の有無、内視鏡もバリウムも通過しない病変では、ある程度、狭窄の向こう側の病変の拡がりがわかります。

治療について

粘膜にとどまるものは、内視鏡を用いて、粘膜切除を行います。それより、進行した癌は、
外科的切除、化学療法、放射線療法を組み合わせた治療が行われます。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは

胃酸が胃から、食道に逆流して、食道粘膜を傷つけて、胸やけやつかえ感や痛みなどの不快感をおこす病気です。

逆流性食道炎の症状は?

この病気が強く疑われる症状は、2つあり、胸やけと呑酸です。胸やけは、みぞおち(上腹部の真ん中)から胸あるいは背中に感じる焼けるような不快感です。もう一つの症状の呑酸は、胃から、胃酸が口まで逆流することにより、酸っぱい味がすることです。その他にも、胃酸の逆流がひきおこす可能性があると考えられる症状に、上腹部痛、胃もたれ、胸痛、咳、喉の不快感、吐き気などがあります。

胸やけについて

はっきりとした症状なので、胸やけと聞いて、はい、その症状がありますとか、ああ、あの不快な症状ねと答えられる人は、胸やけを経験したことがある人で、それと違って、胸やけって、なんのことと思う人は、胸やけを経験したことがない可能性が高いと思います。

呑酸について

これまた、わかりにくい言葉です。呑酸(どんさん)と読みますが、酸を飲(呑)むとは、どういうこと、となりそうですね。気分が悪くて嘔吐したときに酸っぱい味がすることがありますが、それと同じで胃酸の逆流によるものです。

逆流性食道炎の原因は?

食道と胃の間が、ゆるいことがあります。通常、胃の中の物が、もどりにくくなるように、逆流防止弁のようなはたらきをする筋肉があります。筋肉が収縮することにより、逆流をふせぐわけですが、この働きに異常があると逆流しやすくなります。お年寄りで、背中が曲がったりすると食道裂孔ヘルニアという、胃が横隔膜を越えて、胸のほうに飛び出すような状態になります。逆流防止機構が破綻して、逆流がおこりやすくなります。食後など胃に食べ物が入っているときに、胃を圧迫するような動作をすると逆流がおこります。例えば、デスクワークをする、そうじをする、モノを両手で抱えて運ぶなどの作業をするなど少し前かがみの姿勢で作業をすると胃が圧迫されて、逆流が起こります。あるいは、食べてすぐに横になると逆流しやすくなります。

診断?

胸やけや酸っぱいものが上がってくるなど典型的な症状あるなら、逆流性食道炎の可能性が高いと思います。ただ、難しいのは、胃酸逆流のせいで起こるといわれる胸やけでも、胃酸逆流がない人は、むかつき(嘔気)や胃が重い感じ、あるいは、胃の痛みや食欲がないことを胸やけと表現しており、一人ひとりで、胸やけとあらわす症状が違うことです。こういうこともあり、病院では、問診に加え内視鏡検査で、診断しています。

治療は?

治療は、大きく3つに分けられます。それは、①生活の改善②薬物治療③外科治療です。

①生活改善
 

  • 腹圧を上昇させるような重いものを上げる作業や前かがみの仕事、怒責を伴う仕事は胃酸が逆流しやすくなるので減らす。
  • 食後にすぐに横になることを避ける。寝るときは、頭をすこし高くなるようにして寝る。右を下にして寝ると逆流しやすいので避ける。
  • 就寝前の摂食や過食を避けて、脂肪、甘味、香辛料、酸味の強い果物などを避ける。
  • 酒、たばこ、などを避ける。
  • おなかを締め付けるような服装を避ける。ベルトなどで締め付けない。やせることも重要。内臓脂肪により胃を圧迫するから。太って症状がでるようになった人は多い。

②薬物療法

  • 胃酸を抑える薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、抗うつ薬など

③外科的治療

  • 通常手術、内視鏡手術

胃潰瘍

胃石

胃アニサキス

虚血性大腸炎